入れ墨まみれの強面のおじさんからのクレームと上司の神対応

スカッと

学生時代にバイトしていたホストクラブで起こった体験談です。

当時、歌舞伎町のあるお店で主にヘルプとして働いていました。

客層は水商売のお姉さんやイケイケの女社長さんだけでなく、オーナーの知り合いやNo.1ホストさんがご贔屓にしているアパレルの社長さんなど、男性も、結構多く遊びにくるお店で起こった出来事です。

開店と同時ぐらいに入店して、長時間いて、何本もボトルを空けてくれた入れ墨まみれの強面のおじさんとトラブルになってしまったお話です。

なんでも、知り合いのお店と思って入って、売り上げに貢献しようと何本もボトルを開けたそうですが、その知り合いのホストクラブは実は向かいのビルのホストクラブだったという話なんです。

普通、気づいてよ…と思いましたが、酒も入っているので、時既に遅し。

怒声もすごく、なだめるにも
「詐欺にあった」
「金返せ」
「俺の顔に泥を塗った」の一点張り。

かなり怖かったですから、内心はお代はタダでいいので帰ってくださいと言いたいところですが、お店側の顔は、金額も相当の金額ですし、理由も理由なんでさすがに帰すな!の(無言の)メッセージでした。

いよいよ、話もループし始め、カンカンに怒って、ものを投げるかという最悪の事態に陥り、当時既に出勤していたホスト陣・運営陣ではどうしようもできない状況になってしまいました。

もう我々だけでは、どうしようもできない状況になっていよいよものが飛ぶ、暴力がくると思った時、遅れて出勤してきた代表が止めに来てくれたのです。

わらにもすがる思いで事情を説明して、助けを求めたのですが、意外にも代表がとった行動が、私を含め店側への大説教でした苦笑。

「お客様に迷惑をかけるな!」
「お客様に失礼だろ!」
「なんてことしてくれるんだ!」しかも入れ墨のおじさんよりもきれるきれる。

普段、全く怒らない20代前半の代表でしたので、本当にびっくりしました。

あまりに代表が怖くて、思わぬ展開でしたので、みんなが歯をカチカチ震えさせていたら、なんと、あの怒っていた入れ墨のおじさんがびっくりして、代表をなだめる展開に。

おじさんがまぁまぁと言って、
「わしも大人げなく怒りすぎた」と怒り狂う代表に謝罪し、代表も切り替えて
「部下の指導が行き届いておらず大変申し訳ございません」と深々と謝罪して、まさかの丸く収まる展開になりました。

お代もしっかりいただき、しかもプラスで迷惑料までもらってさっきまでが嘘のように解決していきました。

入れ墨のおじさんを見送って、お店の閉店後、代表はみんなに土下座。

代表から正式に一人一人に謝罪があり、事の真相を説明してくれました。

代表なりの作戦があったそうです。

あの手のお客様には、正論は通用しないこと、お顔を立てないといけないこと、冷静に客観視させることが大事だったと説明をもらいました。

そのためにクレーム以上に身内をあえて責めたとのことです。

すると大抵のメンツを気にする人は引いて、怒りから、なだめるに変わり、気持ちよく謝罪できるとのことです。

若いながらもいろんな経験を積んできた代表のとっさの行動によって、丸く収まった本件。

最初は代表にきれられたときは、とんでもないお店だと速攻辞めてやると思いましたが、代表の胸の内を聞いて、みんなが代表を尊敬する流れに。

本当に天晴れでした。

今思えば本当にやり手の上司でした。

一瞬で入れ墨の入ったおじさんを落ち着かせるまで持って行くのですから。

ちなみに、入れ墨のおじさんですが、後日、代表指名で入店していました。

ちゃっかりお客様ゲットしてる~さすが代表!と思ったお話です。

参考になれば幸いです。

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