ある日、宅急便の遅延のためにコピー用紙の配達が予定よりもかなり遅れたことがありました。
そのとき、コピー用紙を注文したお客様が会社の本社に電話をしたところ、本社の電話対応をした担当者が
「宅急便の遅延は弊社の責任ではありません」と返答したそうで、その対応に怒ったお客さんが現場の私のところにクレームの電話をしてこられました。
お相手は年配のオジサマで、この時は大変な怒り具合で、最初は相槌すら入れられないほど。
ただ、怒ったお客様の精神状態をなだめるのに効果的な言葉を知っていたので、早速使ってみました。
その言葉とは
「仰る通りです」。
この言葉をひたすらこれを相槌として言い続ける。
何か言われたら
「仰る通りです」と。
そうしますと、このお客様もだんだん精神状態が落ち着いてこられました。
そして、一通り言いたいことを言って落ち着かれると、徐々に私の立場について気にかけるような発言が出てきました。
それによると、
「あなたは本社の電話対応した人ではないから、あなたは悪くないよね」と。
とは言われても、同じ会社の社員ですので会社の不手際は私の責任でもあります。
そう答えると、
「あなたも大変だね」と言ってくださいました。
実はお客様と話す前に、本社の電話担当者と話をしたのですが、その担当者は
「宅急便のミスなのになぜうちが怒られないとならないのか」の一点張りで私はその担当者に対して腹が立っていました。
でしたので、お客様が
「あなたも大変だね」と言ってくれたとき、お客様に対してもスカッとする気持ちなりましたが、本社の担当者に対してもスカッとする気持ちになりました。
この後、一連の状況を報告書にして上司に報告したところ、担当者は叱られたようです。
再びスカッとしました。
クレーム対応のとき、自分たちの不手際で相手を怒らせたときは
「仰る通りです」という相槌は相手の発言を100%受け入れていると受け止められて、相手に精神状態を落ち着かせるのに大変効果的です。
結果、180度違った態度になったりします。
ただ、わざと無茶を言うお客様もいますので、そのあたりの見極めはきちんとしなければなりませんので、ご注意ください。
尚、この事例の場合は、お客様よりも本社の担当者に対して私は腹が立ちました。
宅急便のミスであれ、お客様は宅急便にオフィス用品を頼んだわけではありませんから、そのやるせない気持ちは当然、注文した会社にぶつけたくなるのは当たり前のことで、この気持ちをきちんと受け止めることをしないとクレームは更に大きくなります。
クレームというのは心の問題でもあるので対応は難しいですね。
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