私のこれからにも充分参考になった理不尽なクレームへのスカッとする店長の返し

スカッと

私の社会人デビューは都心の高級婦人服店です。

イタリアやフランス、国内など上質な素材とクオリティ高い縫製の商品を販売していました。

勤務しているのはずいぶん年上の店長と私だけ。

店長はこの業界に長けている方で厳しくも上品でどちらかというと大人しい方でこんな新人の私を穏やかに教育してくださいました。

ボトムの裾上げを注文されたお客様

ある日の出来事です。

店長が不在のときは慣れないながらにも自分がお客様対応をすることになります。

ある女性のお客様のお買い上げでボトムの丈カットの補正を承りました。

その後、業者での補正が上がってきます。

そうすると私はもちろん店長もその仕上がりが大丈夫かどうか検品しています。

お約束の日にちが来ましてお客様が受け取りにご来店されました。

そして次の日のことです。

「こんなにめちゃくちゃになっていたんだけど」と補正のやり直しを求めるクレームがありました。

聞けば着用しようとしたら裾のほつれがあったということ。

実際に拝見しましたが確かにめちゃくちゃになっています。

それに私たちが検品したときとはまったく違う状態に。

お客様からのクレームのわけとは…

それもそのはずです。

これはきっとお客様が靴をはいた状態で(おそらくトイレかなんかで)着替えたのでしょう。

そして細いピンヒールで何かしらの状態でひっかけたのでしょう。

完全に糸がビーッと引っ張られて生地も引きつりがすごかったのです。

よくあることなのですが、高級品は生地によっては繊細な縫製になっている場合が多いのです。

通常と違う着用の仕方をしてしまうと当然何かが起きてしまいます。

該当の商品もとても薄くしなやかな素材でしたので縫い目は優しく糸も細くゆるくなっています。

補正業者もプロ。

補正の際には同じような仕様で仕上げます。

なので決して不良ではありません。

こちらとしてはお客様の着用方法の問題でこのような状態になったのは分かりきっていることですが対応した店長のすごいところがそれを絶対指摘しないこと。

でもこちらとしては信頼できる業者に預けて検品もしているのは明らかです。

もう明らかなのでそのことは一切口にせず無料での再補正はお断りしています。

相手だって分かっている筈です。

一切の動揺は見せずたいへん穏やかに言い放った言葉が
「ご納得されなければ、どうぞ消費者センターに相談されたらいいのでは」。

その一言で相手は引き下がりました。

調べれば誰が悪いのかは分かることですから。

今はどんな理不尽なクレームでも長引いたり面倒くさかったりすることに弱気になりすぐに対応してしまうショップも多いと思います。

だからこそそんな店長の強さにスッキリとしました。

店長の対応にスッキリとしつつ学んだこと

明かにこちらに責任がないクレームには立ち向かう知識が身につきました。

同時にクレームでお客様にご迷惑をかけないようやるべきことはきちんとやること、これを徹底することが大事だと思いました。

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