わたしが婦人アパレルショップで働いていた時に起こったことです。
お店の立地的に高級住宅街が近くに並ぶところだったので、普段はセレブなお客さんが多くトラブルも少なく客層が比較的良い所でした。
しかしセールの時となると、普段と違ったお客さんが来るので荒れる事もしばしばありました。
比較的裕福層の多い店なので、まとめ買いをしてくれる人も多く、売り上げも全国1位になることもしばしば。
セールとなると、最大で70%オフと思い切った値下げをするお店だったので、普段は定価で買えないお客さんがドッサリ来るので
お店公認の名物クレーマーも何名か居ました。
中にはセールで買った靴のヒールをハンマーのようなもので打ち付け、ボコボコにした後に
「こんな不良品を売るお店なんて信じられない。返金しろ」と無理がある言いがかりで着払いで品を勝手に送ってくる迷惑客も何名か居ました。
だいたいクレーマーが来るときは、すぐに店長やマネージャーが店に入ってきたなり対応をすることが多かったので特に大きな騒ぎを起こしたりする事はなく、普段は過ごせていました。
ある日最終セールを行っていた激務の土曜の昼間に、お店で有名な
「返品おばあさん」と呼ばれる方が来ました。
普段はクレーマー対応はマネージャーか店長なのに、その場で手が空いていたのがたまたま私のみ。
新人だった私はクレーマーだと気づかずそのまま対応をしたのですが、そのおばさんは確かに沢山まとめ買いしてくれたものの、すべて70%オフなので、合計金額は破格の値段。
レジに通した1時間後にまたおばさんが戻ってきて、
「セール金額になっていない、購入点数が見返してみると違う。」と言い出してきました。
対応をした私が責任をもってすべての購入点数、レジ金の確認を行おうとしましたが、あいにくその日は恐ろしい程店内が混んでいる日でじっくり確認なんてしているとすぐにレジがパンクしてしまう。
言いがかりをつけて、焦らせてなんとかしようというのが狙いなのか、明らかに怒った様子のお客様を目の前にとっさに出たひと言が
「すごいですねー!こんなに沢山買ってくれたんですか?すごーい!こんなに長いレシート初めて見ました」とおだてると、おばさんがクレームモードから一転ニヤニヤしだすように。
その後もすごい、すごいとおだてながら
「レシートが長いので少しづつ調べますね」と言いながら調べ、案の定レジと購入品のセール合計金額が合致していることが判明。
極めつけは
「大丈夫でしたよ!こんなに買うとどれがどれだかわからなくなっちゃいますよね。沢山買って頂いてありがとうございます」と言うとニコニコして出ていった。
後で先輩から聞くと、いつもいいがかりをつけ返金を求める人だったので笑顔で帰った事にビックリしたらしい。
我ながら機転を利かした方法だったと今でも思います。
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