8人家族で住んでいた我が家で私が目にしたのは、静かなる女の戦いです。
どうも人がコッソリとする怪しい行動には、敏感に気づくタイプの私。
私が幼いころ、中でも印象的だったのが、炊飯器の加水事件です。
嫁である母は固めのごはんを好み、姑である祖母は柔らかいごはんを好みます。
人の好みは様々なことを大家族から覚えた幼少期でしたが、自分の好みを譲らない行為を目にしたのです。
それは嫁がセットした炊飯器に、コッソリ水を加水していた姑の後ろ姿でした。
「あっ!?」私が声なき声をあげたところ、祖母は小柄な体を生かし、あっという間にその場を去りました。
そしてごはん時。
嫁が
「あれっ、ごはんが柔らかくなっちゃった。今度もう少し水を減らすわ」と言うと、姑は
「うぅぅん、ちょうどいいよ」と返していました。
(この戦いは終わりがあるものか…)幼心には不安です。
そして次の日も、またその次の日も、嫁である母の首は傾げたままが続き、いよいよ姑である祖母によって炊飯器に水を足されていた現場を母は見ることになりました。
私は内心、嫁姑の戦いが一発やって終わることにホッとしたのものです。
ところが、嫁は現場を目にしても姑に声を掛けません。
(えっ!?ひとこと言って話合えばいいのに!)
その日のごはん時、苦しくなった幼心の私が一肌脱ぎました。
「今日は柔らかいごはん、明日は固いごはん、変わりばんこにしよっ!」
他の家族がキョトンとするなか、嫁である母だけが優しい目になりました。
大人になると”話してダメなら強行突破”になると、教訓を得たものです。
コメント
ほっこりするいい話でした^ ^
ごはんの固さは譲れない個人の好みが出やすいですよね