ヤンサラ=ヤンキーサラリーマンという新しい迷惑客

ヤンサラスカッと

その日は、山手線が人身事故で止まっていて、電車が大変な混雑。

金曜日の夜遅くということもあって、本当にぎゅうぎゅうだった。

私と友人の近くにアホなヤンサラ二人。

うち先輩格がほんとバカで。

混んでて辛いのはてめえだけみたいな面で、子連れのおかあさんやお年寄りに聞こえよがしに毒を吐いたり、 不可抗力でそいつに体が押し付けられた格好になった私たちも、
「寄ってくんナよ、キモいんだよブサイク!」とか言われて、故意としか思えない感じで、肘でごりごり押し返されて痛かったり。

で、電車が大きく揺れて、そいつらのほうに押されたら、 なんと!そのバカ、私と友人の足に
「ふざけんなよ」とか言いながらキックを喰らわせた。

ブチ切れ寸前のところで、友人がうめきながら突然座り込んだ。

急なことに激しく動揺し、唖然としてしまってたら、 隣のおじさんが
「君、どうした!」と声を掛けてくれて。

友人、
「脚…蹴られて…」とヤンサラを指差す。

すかさず私も
「あたしも蹴られました!」と糾弾。

バカは
「たまたま当たっちゃったんですよー」とへらへら逃げようとしたが、 おじさんが
「どうやったらふくらはぎにたまたま足が当たるんだよ!」とナイスな追い詰めをかましてくれた。

周りのお客さんも
「てゆーかウチラも肘鉄されたんだけどー」
「あと、年寄りがどうとか言ってたねえ」
「大体、満員電車でニンニク食ってぺちゃくちゃ喋んじゃねえよ」
「酷いよねー」
「つーかどういうつもりなの?」などなど、援護射撃をしてくれた(いま思い出しても有り難いです)。

おじさんが
「駅員さんに訴えたら?これ傷害だよ」ととどめを刺したが、 友人は
「それは忍びないので…私は大丈夫ですから」と。

皆に睨まれつつバカ二人は次の駅で降りてった。

ちなみに、心配してくれた、おじさんはじめ優しいお客さんの手前 車内ではずっと
「怪我人」だった友人の座り込みは、演技だったのでした。

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