中学1年の時、自称お嬢様で父親が国際的な語学力を身に付けるようにと小学校の頃から英語を習わされてるとか
(昭和の頃の話で、英語は中学で初めて習うのが普通だった時代)
母親が日本人の心とたしなみを身に付けるためにとお琴を習わされてるとか、同じ習い事でもシモジモの者たちとは違うのよ、おーほっほっほっほ
・・・的な事を自慢げに言うAちゃんって子がいた。
学校にアメリカ人の男性教師がやってきた
ある日、どういうイベントだったか忘れたけど、学校にアメリカ人の男性教師がやってきた。
まだ
「Apple」の発音でG馬場のモノマネをやって喜んでる程度だった私たちに、先生が英語で話し掛けてきてもチンプンカンプン。
それでみんながAちゃんに
「通訳してよ!Aちゃんの出番だよ!」とか言って煽った。
嬉しそうに立ち上がるAちゃんだったが、全く聞き取れないようだった。
そしてアメリカ人教師がAちゃんのすぐ後ろのBちゃんに話しかけたら、普通にペラペラ返して一同ビックリ。
Bちゃんは私たちと違って校区外の小学校から入ってきたんだと思ってたけど、実は帰国子女だった。
そして一週間ぐらい経ってそのアメリカ人教師が帰ることになって“送る会”みたいなのが催されたんだが、Aちゃんが
「せっかくだから日本の伝統を観て貰いましょうよ」と言い出し、自分が着物を着てお琴を弾くと言い出した。
せっかくだから日本の伝統を観て貰いましょうよ
お琴は自分が家から持ってくるって言うし、私たちは本物のお琴って見たことなかったから、見てみたいってのがあって、それに決まった。
で当日の朝、持ってきたお琴を教室に広げてみんなの前で試しに
「さくら」を弾きだした。
ちゃん(さ~)・・・ちゃん(く~)・・・ちゃ~ん(ら~~)・・・
ちゃん(さ~)・・・ちゃん(く~)・・・ちゃ~ん(ら~~)・・・
って感じで、1音ずつ弾く感じ。
そしたらこれまた大人しいタイプのCちゃんが
「あのー・・・調弦がオカシイと思うんだけど・・・」とかナントカ言いだした。
私たちにはよく分からなかったけど(調弦って言葉も知らないw)
それを聞いてAちゃんが怒っちゃって
「じゃああんたが整えなさいよ!」みたいな事言った。
静かにお琴の前に座ってCちゃん、あちこち弄りながら弦を弾いたりしてたけど、
「これでいいかな?」と言った後、軽く弾きだした。それが・・・
ちゃん・・・ちゃん・・・ちゃ~ん チャカチャカチャカ
ちゃん・・・ちゃん・・・ちゃ~ん チャカチャカチャカ
ンちゃん ンちゃん ンちゃん ンちゃん ンちゃんちゃんちゃんちゃん チャカチャンチャン
って感じで流暢な調べだった。
これまたCちゃんも、おばあちゃんがお琴と三味線やってて子供の頃からガチで習ってたらしい。
だけどババ臭いと言われそうで黙ってたんだって。
Aちゃんの方は可哀想なぐらい大風呂敷がバレて、それ以来すごく大人しくなった。
まぁちょっと可哀想ではあったけどね。
能ある鷹は爪隠すって言葉、誰かが言って、この時覚えた。
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