ウチの母は、いつも兄嫁より数段上のファッションを自慢にしていました。
プクプクの首には金のネックレス、太い指にはダイヤモンド。
我が母ながら年甲斐もなく息子の嫁と競うなんて、どんだけストレスが溜まってんの?と、いつもドン引きでした。
一方、兄嫁はとても綺麗な人なのですが、兄の安月給で暮らしているので、いつも地味な服装でした。
そんな兄嫁も、ある時アッパレなド根性を見せました。
親戚の結婚式があり、母や兄嫁一同、家族で出席することになりました。
私は、また母の嫁イビリが始まるのかと思い母を見ると、やはりバリバリに着飾っています。
内心、花嫁より目立ってそうな母に呆れてました。
ところが、その日の兄嫁はもっと凄かった!母のように宝石こそ付けていませんが、清楚な中に高級感溢れるブランドドレスで登場したのです。
兄嫁は元々美しい人だし、母より遥かに若いので、本気出せばコレ程か!というくらい気品と輝きがありました。
やはり美しさは隠せないモノです。
親戚一同、見惚れてしまいました。
母は、そんな兄嫁を見て、さすがにいつもの元気がありません。
母もダイヤモンドを買うお金があったら、安月給の息子の嫁さんに、素敵な洋服の一着も買ってあげれば良いのにと時々思っていました。
でも兄の安月給で、よくあんな高いブランドドレスを買えたなあと思っていたら、兄嫁が後でコッソリ教えてくれました。
実は、ネットのファッションレンタルで借りたそうです。
パールのネックレスからコサージュ、靴まで一式セットでレンタルだったのです。
だから費用も安かったそうです。
「近頃は便利になったわね」と明るく笑う兄嫁に、女の底力を見ました。
お陰で自分のことのようにスカッとしました。
嫁イビリのゴージャス母もファッションレンタルには勝てなかったとは、人生何があるか分からないものです。
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