本当ね、軽い仕返しをご紹介します。
中学の時に狙ってる電波子ちゃんがいた。
「いる!あそこ、いるよ!」
事あるごとに女の地縛霊がいる、水子の魂が彷徨ってるだの言っていた。
当時はアンビリバボーやUSOの全盛期。流行りにのって体張って人気集めて精が出るねーくらいにしか見ていなかった。
周りの奴らも気づいてはいるだろうけど、乗っかった方が絶対楽しいと思っていたんだと思う。
男女一緒になってキャーキャー言ってた。
自分も電子ちゃんが
「見える‥見えるの!」と、言った幽霊の特徴を絵に起こしてとんでもない化け物になって皆で笑ったりしていた。
そんな穏やかな日を過ごしていたある日。同じ小学校から進学してきた奴が
「そういえばお前もオカルトマニアだったよな」と人の隠れ趣味を暴露しやがった。
オカルトマニアではないけど学校の怪談や都市伝説と言ったものが好きなだけだったけど、新しいネタを見つけたクラスメイト共。
早速第二のオカルトキャラを誕生させやがった。
でも怖い話は大好物。
電子ちゃんが幽霊見えるネタならこちらは怖い話の語り手に徹して、電子ちゃんのフィールドを汚さないようにしようと気をつけていた。
それも含めて気に入らなかったんだと思う。
「ねぇ、変な女の人の霊‥付いてるよ」
電波攻撃を仕掛けてくるようになった。
「俺に付いてる時点で変だ」と、流したのに
「家の押し入れにいる。このままだと死んじゃう」
こうなるとガヤも五月蝿い。
「死なれると困るから、除霊しに行こう」と皆ゾロゾロとうちにやってきた。はた迷惑な話だが暇だし別に良い。
困ったのは電子。自分から言った手前まさか除霊しようなんて流れになるとは思わなかったんだろう。少し無口になっていた。
家に着いたら電子は祖父の部屋に行くなり、
「この部屋!ここに女の霊がいる。危険すぎる!」と叫び全員を部屋から追い出した。祖父はちょうど囲碁会館に行っていたから良かったものの、こんな友人は見せたくない。
電子は部屋に篭って3分程して出てきた。
入ると線香の匂いがする。
「成仏したよ」と言っていたが仏壇の線香つけただけだろ?
何かもっと憑依したりお祓いの時に使う葉っぱみたいなのバサバサすんのかと思っていた俺らは少し拍子抜け。
じゃあ解散するかと皆帰って行った。
地獄はそれから始まった。
その夜、我が家に祖父の怒号がこだました。
電子は畳の祖父の部屋の四つ角に直に盛り塩。部屋中に塩を撒いていやがった。
当然怖い祖父に自分はボコボコにされ、次の日に電子に文句言っても
「除霊しろって言ったのあんたたちじゃん!」と、逆ギレされた。塩まくのなんて誰でも出来るんだ!…
頭にきた自分は仕返しを決意する
昨日の連中を集めて降霊術をやろう。と、提案。
まず初めに水を用意する。
それを1人1人コップを用意して水を入れていき、目を瞑って呪文を唱える。その後にコックリさんを行う。
コックリさんに帰ってもらった後にその水を飲む。
その水の味が変だったら自分に幽霊が憑依した証である。という意味わからない儀式を説明。
皆のコップに水を入れて一口飲み、全員目を瞑る。
そして適当な呪文を唱えさせてコックリさんをやらせる。
お調子者が変態ちっくな質問をバンバンする。
その答えを殆ど電子にしてやる。
自分がメッチャ力入れているので。
皆爆笑して電子は顔を真っ赤にしていた。
ざまぁないなと少しスッとしたのでコックリさんを帰らせる。
お疲れー!と全員で水を一気飲み。
電子と俺以外は皆変な味がする。
目を瞑ってる時に塩入れたから。
言葉を失うそいつら。
「え、水じゃ‥なくなってる」とかマジ顔になっとる。
こいつらにも昨日の一件では責任あるので一晩怯えろと
「寝れば霊は離れるから大丈夫だ」と、適当なこと言ってサッサと帰っていった。
霊が付いたかもしれないのに夜寝れるわけないよなー、と考えながらニヤニヤしていた。
皆
「流石にネタだよね?」と怯えていたので
「マジだよ?」と。
「またまたぁー!」とか言っていたが、次の日皆寝不足の顔してた。
そこで電子呼んで
「もう霊ついてない?」と聞いたら
「多分」て。
皆苦笑いするしかない。
結構懲りたらしく、それからは皆無駄にあおったり無茶ぶりをすることは少なくなった。
ネットの反応
同窓会とか成人式とかで会うたびに
「今でも霊とか見てんの?w」って聞いてやれ
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