追い込まれた時に現れた私を救ったヒーロー

スカッと

私が看護師としていて働いていた時の話です。

あれは1年前のことでした。今でも鮮明に覚えています。

元々人のために働きたいと思っていた私は、自分の性格などに合っていそうな介護士をすることにしました。

蓋を開けてみれば、もちろん大変な仕事です。

入浴介助やオムツ交換、食事介助など慣れるまでは精神的にキツかったですが、周りの職場の方たちもとてもいい人ばかりなので、その支えもありながら、何とか頑張り、成長することが出来ました。

ある方を除いては。

仕事にも慣れてきて、毎日の仕事が楽しいと感じ始めていたときにその悲劇が訪れました。

私が患者さんの部屋で介助をしていると、その患者さんの部屋に置いてあった床頭台が壊れていることに気づきます。

その患者の母親に、
「床頭台が壊れていますので他のと取り替えてきますね。」

そうお伝えして、壊れているのでとりあえず上司の方に報告をして、他の床頭台に交換しようとしました。

その時でした。

職場の1人の方が、
「あんたが壊したんじゃないの?」と、強く私を責めて来ました。

もちろん、そんなことはないのですぐに、
「私ではありません」と言いましたが、その方はまるで私が床頭台を壊したかのように強く責め続けました。

元々その方(Aさん)は無愛想な方で私がコミニケーションをとるのが唯一苦手な方でした。

Aさんは他の職場の人たちには優しいのに、ただ唯一の新人であった私にはいつも厳しかったのです。

その時は心の中では「ふざけんなよ」と思っていましたが、そんなことは言えるはずがありません。

Aさんはその道を20年もしている方なので、大ベテランです。

仕事内容を完璧に把握しており、その仕事もパーフェクトにこなしてしまいます。

なので周りからは少し一目置かれた存在でした。

そして、その空間には私、上司とAさんを含めた3人だけでした。私が報告した上司の方よりも年齢は上のため、上司もなかなかその方には言いづらそうにしていました。

色んなことを言われているうちに心もおかしくなって、「もしかしたら自分が違うときに壊したのではないか」と疑心暗鬼になって来てもいました。

そんなに言わなくてもいいのに。

ただ他の床頭台に交換して、壊れた床頭台を修理すればいいのにと思っています。

むしろ今でもそう思っています。

上司の方も
「とりあえずあなたが壊れた床頭台を発見したのだから、報告書にあなたの名前で書いておきなさい」と言われました。

内心は本当に嫌でしたが、
「分かりました」と返事をして報告書の紙を取りに行こうとしたその時でした。

スーパーヒーローは突然やってきました。

「私、Aさん壊しているとこ見ましたよ。」彼女のその一言で私の苦しかった心は一瞬にして解放されました。

その方が言うには、患者さんの部屋を出た後にどうも様子がおかしかったので、部屋に入ってみると床頭台が壊れていることを発見したそうです。

彼女もベテランのAさんのことだから何かしらの対応をするのだろうと思っていたそうです。

しかし何もなく過ぎていき、私がこのような場面にあっていたことを知り、駆けつけ、私を助けてくれました。

私はその時のAさんの表情を今でも忘れることができません。

なぜ知っているのだと焦っている表情でした。

その後Aさんは何も言わずその場から立ち去り、すぐに報告書にAさんの名前で記入をしていました。

私はすぐに彼女にお礼を言いました。

「本当にありがとうございます。助かりました。」

すると彼女は一言だけ
「気にするなよ」と言って、また自分の仕事に戻って行きました。

その後ろ姿も今でも忘れることはありません。

本当にかっこよかったです。

私も彼女のような強い人になりたいと心の底から感じた瞬間でした。

それからはAさんはあのことを反省しているのか、少し立場も弱くなった気もしますし、私に対しても少し優しくなったような気もします。

おかげで前よりも仕事は楽しいですし、より一層いい雰囲気で日々仕事ができていると感じることができました。

今回のように本当に突然スーパーヒーローはやってくるのだと思います。

もしかしたら、あの件がなければAさんはそのままだったかもしれません。

しかし、あの件から介護士の仕事内容もそうですが、誰かのために気持ちよくお世話したり、働けたり出来るようになっていると思います。

そのような行動や発言って必ず誰が見ていることだと思っています。

今もそしてこれからも誰が見ていても恥ずかしくない行動や発言を日々していきたいです。

もう一度言わせてください。

良いことをしていれば、窮地を陥った時に突然スーパーヒーローはやってきて必ず助けてくれると思いますよ。

コメント

  1. え、なんの話?